マクドナルド人気の期間限定商品「チキンタツタ」が今年も販売開始!
早速先日味わってきました。
今回は人気漫画「タッチ」とのコラボレーションでのプロモーション。「タッチ」と「タツタ」をかけたデザインが目を引きますね。
「なんだよダジャレかよw」と一見ただの悪ノリにも感じるデザイン。しかし、そのデザインに至った意図を深読みすると、腑に落ちる答えにたどり着きます。
今回はそんな「チキンタツタ」×「漫画タッチ」の広報戦略について、映画の評論をするようにデザインの深読みをしてみようと思います。
以下の文章は個人的な解釈が多々あります。あらかじめご了承ください。
マクドナルドの人気商品「チキンタツタ」
チキンタツタは1991年に期間限定商品として初登場し、1992年からレギュラーメニュー化された商品。僕自身も幼少の頃から好んで食べていたメニューです。
ボリュームたっぷりの具材と、柔らかい食感のバンズ、日本人好みの生姜醤油が効いた味わいは、当時食べ盛りだったの若者たちの空腹を満たしてきたのだと思います。
しかし2004年に鳥インフルエンザの影響や他のメニューと食材の共有ができないという理由で販売終了となってしまいました。
現在は年に一度、期間限定メニューとして登場していることから、今も根強いファンに愛されている人気商品といえると思います。
「チキンタツタ」のファン層は30〜50代の男性
チキンタツタをより食べたことのある世代ってどの世代だろう?
おそらく、チキンタツタがレギュラーメニューとして販売されていた時期に食べ盛りだった、現在の30〜50代の男性だと推測できると思います。
人気野球漫画「タッチ」
「タッチ」は言わずと知れたあだち充さんによる人気漫画です。題材は高校野球で双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染の浅倉南の3人を軸にした恋愛要素の強い作品でもあります。
弟の和也の死に顔に直面した南に達也が放った
「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで。」は、作中屈指の名言ですよね。僕自身あのシーンを思い出すと鳥肌が立ちます。
ちなみに作品名の由来は「バトンタッチ」だといわれています。和也の夢であった「甲子園出場」を達也が変わって叶えるという物語の道すじが込められています。
「タッチ」のファン層は40〜50代の男性
いまや世代・性別を越えて愛される名作ですが、タッチのファンが多い世代は、連載当時思春期だった世代、現在の40〜50代の男性だと推測できます。
ちなみに自分の母親がタッチをリアルタイムで見ていた世代です。実家の押入れにタッチのVHSが入っていたことをふと思い出しました。僕は勢南高校の西村勇が好きだったな〜。憎めない3枚目ライバルのキャラが好きです(笑)。
今回のプロモーションのターゲットは40〜50代の「オヤジ世代」
チキンタツタのファン層は30〜50代の男性、漫画タッチのファン層は40〜50代の男性と想定すると、今回のプロモーションのターゲットはおそらく40〜50代の男性と推測できます。
さらにこれは深読みですが、「タツタ」と「タッチ」をかけたダジャレのような見せ方も、「オヤジギャグ」を言ってしまう世代にアプローチしてるのではないでしょうか。CMの岩崎良美さんによる「タッチ」の替え歌なんて痛快なほどにオヤジギャグが炸裂しています(笑)。
キャッチコピー:「迷うって、青春だ。」
今回のプロモーションのキャッチコピーは「迷うって、青春だ。」。
こちらのコピーの意図は、今回通常のチキンタツタに加えて、「ひとくちタツタ」、「チキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」が販売されるからだと思います。
おそらく「何を食べるか迷って欲しい」。そんな意味がこめられているのだと。
また、チキンタツタ=上杉達也、ひとくちタツタ=浅倉南、瀬戸内レモンタルタル=上杉和也という具合に、期間限定の3メニューをタッチの主要キャラクターのイメージに合わせているのが、パッケージから見て取れます。一見そっくりな達也と和也をタツタに例えている表現が本当にあっぱれですね。
なぜ今チキンタツタをリリースしたのか?
同じ期間限定販売の人気商品、「グラコロ」は販売される時期がある程度決まっているのに対して、チキンタツタは販売時期がバラバラ。
ではなぜ今このタイミングでチキンタツタをリリースしたのでしょうか?
コロナ禍での売上向上の火付け役なのか? 冬の時期に売れるという統計があるのか?……きっと僕の想像もつかないほどの戦略があるのでしょうね。
しかしもし、僕の推測したターゲットが正しいなら、
40〜50代のお父さん世代に向けて、チキンタツタをテイクアウトで買ってもらい、コロナ禍でのおうち時間を家族で楽しんでもらいたい。
そんな意図があるのではないでしょうか。
デザインには必ずそのデザインに至った「理由」がある。
街を歩けば目にするポスターや看板。
映画監督が作中のワンシーンに想いや作品の本質を込めるように、広告にも「どうしてそのデザインになったのか」の戦略・想いが必ず隠されています。
今回の僕の推測が正しいかどうかは別として、街に溢れたデザイン物は僕にとっては参考書のようなものです。デザイナーは日常生活でも得られる学びが山ほどあります。
常にインプットを絶やさず、これからも自身のスキル・キャリアアップに努めていきたいですね。