デザイナーが似顔絵を描けるようになると得をする5つの理由

僕は友人の結婚式に似顔絵のウェルカムボードを描いたことをきっかけに本格的に5年ほど似顔絵師として活動していました。

その結果、似顔絵のスキル獲得はもちろん、デザイナーとしてのキャリア・スキルアップ、さらにはデザインのお仕事の獲得にも繋げることができました。

僕はデザインと似顔絵は非常に相性が良いものだと考えています。デザイナーを志している方や、デザイナーのキャリアアップに悩んでいる方にはぜひ似顔絵のスキルを身につけることをおすすめします。

今回の記事では、似顔絵師として活動した5年間の中で、デザインの仕事に役立てることができたモノを5つ、解説していきます。

目次

01:デザイン以外の技術が身についた

似顔絵の仕事といってもさまざまなお仕事があります。僕は似顔絵活動の5年間を通して似顔絵に関わる以下のスキルを獲得することができました。

席描き似顔絵

テーマパークやショッピングモール、マルシェなどで、お客さんの似顔絵をその場で描くお仕事のこと。お客さんから料金をもらうスタイルが一般的ですが、企業から報酬をもらい、内覧会や相談会などの来場者に無料で似顔絵を描いたりすることも。

即興描き似顔絵

会場に似顔絵師が出向き、数分で似顔絵を描くサービスのこと。結婚式や、宴会など、たくさんの人が集まるイベントの余興のコンテンツとしてご利用されます。モデルになる人はじっとしていなくてもOK。描いた似顔絵はお持ち帰りいただけるので、結婚式の引き出物やイベントの記念にすることも可能です。

似顔絵の通信販売(ギフトや結婚式ウェルカムボードなど)

似顔絵は描く人の写真さえあれば、直接お会いしなくてもできるお仕事です。誕生日や特別な記念日に似顔絵を注文いただいたり、結婚式のウェルカムボードのご依頼が来ることも。

デジタル似顔絵

先述した似顔絵は基本的には手描きのものが多いですが、名刺やチラシなどに似顔絵を印刷したりする用途の場合は、PCで描き、さまざまな媒体に活用できるデータとして作成しています。これができると、芸能人のイメージ似顔絵の作成などでTVや報道関係の企業からの依頼も見込むことができます。

データで似顔絵を作成すれば、各媒体への展開も容易にできます。

クラウドソーシングや、定額制のデザインサービスなど、さまざまな新しいサービスの影響で、デザインの単価は下降していると実感しています。その中でデザイン物の付加価値として似顔絵を使った名刺やチラシ、WEBサイト、さらには販促イベントの提案まで、さまざまなお仕事に繋げることができます。

02:人脈が増え、仕事の受注が増えた

似顔絵の活動は、最初は一個人としての活動でしたが、気づけば仲間が増え、若手作家のチームとなりました。そんな近い境遇の仲間はもちろん、似顔絵を描いたお客さん、会場の関係者、イベンター、出店者とつながることができ、今ではそのご縁からデザインの仕事を依頼されることも。

03:イベント企画・出店のノウハウが身についた

似顔絵の事業を認知させるために、まずは「営業活動」と言う名のドサ回りをしました。お祭りやマルシェなどのイベント出店はもちろん、飲食店での出店や、自らイベントの企画をしてきました。

「似顔絵のイベントを企画する」と考えた時に、ただ椅子と机を用意して出店を出すだけではつまらない。「できる限り真新しく、お客さんに楽しんでもらうためにはどうすればいいだろう」と常々考え行動していました。

そこで、カフェに出店をしてコーヒーを飲みながら気軽に似顔絵を楽しんでもらうような工夫をしたり、その場で描いた似顔絵を名刺や年賀状などに使えるデータにしてお渡しするといったサービスを提供したりもしました。現場に自ら出向きニーズの調査を行った経験は、今もデザイナーの仕事でとても役に立っています。

04:芸能人にたくさんお会いすることができた

似顔絵が描けるおかげで、ご縁がご縁を呼び、著名人の方と会えるきっかけを作ることができます。ありがたいことに、今までもたくさんの芸能人の方に似顔絵を渡しお話をさせていただける機会をいただけました。中でも僕の青春を支えてくれたケツメイシの大蔵さんに似顔絵を渡せた瞬間は、いまでも昨日のようのことに鮮明に覚えています。

05:似顔絵を使ったデザインの提案ができるようになった

イラストや似顔絵が描けると、デザインの幅が広がります。
似顔絵が1つあれば似顔絵名刺はもちろん、チラシやWEBサイトといった媒体にも活用することができます。媒体に親しみや個性、インパクトを与えたい場合は似顔絵を使った広告をぜひおすすめしたいです。

最後に……

会社には僕より優れたイラストレーターがいるため、似顔絵を描く機会はめっきりなくななりました。しかし似顔絵で培ったさまざまな経験は今のディレクターとしての立場の自分にしっかりと活かされています。

また、友人や知り合いのプレゼントに似顔絵を描いたりすることで技術も生かされています。そして、最近生まれた我が子の似顔絵を自分で描けることは何より幸せなことですね(笑)。

デザイナー / クリエイティブディレクター
竹本 純

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この記事を書いた人

竹本 純のアバター 竹本 純 デザイナー / アートディレクター

「掛け算をするデザイン」をモットーに、グラフィック・イラスト・webのデザインを主軸に、マーケティングや商品開発、多様なジャンルの教養を取り入れ日々奮闘中。現在はデザイナー業の傍でDTP業務の内製化や社内デザイナーのスキルアップ、デザイナー志望の方へ向けたデザイン教室事業を展開中。

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